楽器サックスを吹いてみてわかった事と教訓をサクッとまとめてみた

もしも今、あなたが好きで得意なことをやっているなら、私のような後悔はしないでほしい。当時は後悔はないって思っていたけど、しっかり自分と向き合ってはいなかった。焦らなくていい。しっかり自分の本心を自分自身で聞いてあげてほしいと思っています。

 





 

楽器はブラスバンドからはじめた。

 

ブラスバンド部に入部したのは高校1年生の終りころ。楽器を吹きはじめるには少し遅いかも。パートはアルトサックスしか空いてなかった。それでもなんだか惹かれて吹いてみることに。最初は音を出すだけでも時間がかかった。風が吹いたら鳴るサックス、って言われてたのにです。

 

音が出た!

 

なんとか音が出るようになってからは、おもしろくなって練習の鬼に。約1年遅れなのと、ほぼほぼすぐに後輩が入ってくることへの焦りからなんですがね。

朝は正門が開くと同時に音楽室で練習。早弁してお昼休みも練習。部活後も下校時間まで練習。帰ってからも楽器を持って帰って練習した。セルマーのサックスも買った。

 

それでも、これでいいのかどうかがわからなかった。

 

この練習であってるのか、はたまた通用するのか分からないと、音楽の先生に相談したら、関西でサックスならこの先生しかいないと紹介してくれた。その頃には練習のかいあってか、まわりからはうまいねって言われるくらいにはなっていた。文化祭でのソロも吹かせてもらえた。

 

しかし現実は厳しい。

 



 

音大の先生との出会い

 

先生の最初のレッスンで「この音のロングトーンとこの音階吹いてみて」って言われ吹いた。さすがというかなんというか、いちばん吹きにくい音と音階。

吹いた後の先生の答えは「レッスンは受けてもいいけど、特別にうまいとは思わないから、しっかり練習する覚悟はできてますか?」と聞かれた。ショックだった。買った楽器は良かったみたい。こんな感じでレッスンがはじまった。

 

ジャズに憧れだしていたので先生に聞いてみた。教えてる音大に来ることができたら教えてもいいよ、との返事。そして聞かれたのは「基礎はどこまでできてるの?基礎ができてないといきなりジャズは難しいよ」とのこと。

そして、ロングトーンと音階をぜんぶ吹かされるテスト。音階なんてとても全部は吹いてなかったし、いちばん上から下までなんてまったく練習してなかった。

 

撃沈した。

 



 

レッスンの苦悩

 

レッスンの最初のノルマはロングトーンとすべての音階。そしてクラシックの教材を少しずつ。1回だいたい1時間で1万円のレッスン代。

サックスはクラリネットとかとおなじく木製のリードが必要。このリードも指定のリード。これもけっこうな値段がする。それもぜんぶが使えるわけではない。そのとき言われたのは「お金の切れ目が音の切れ目」容赦ない。

 

音大へ行くとなると、専門の楽器だけでは受けれない。もちろん習い始めたピアノ。コールユーブンゲンっていう楽譜を見ながら歌う練習や、ピアノなどの演奏から音符に書き出す練習。楽器吹く時間がどんどん減っていく。練習できてないとわかるとレッスンはそこで中止になった。生徒さんは私だけじゃあないからね。

 

それでも受験前には「このままいけばなんとか受かるとは思うけど、気をぬかないように」って言われてた。なのに、まさかまさかの鎖骨の骨折。コルセットが取れるまでは約一か月。この期間を私は舐めていた。

受験までは一か月。聞いてはいたけど、いちど練習をやめると追いつくのに3倍はかかる。これは本当だった。まったく思うように動かない指。からだに一部のようになりかけてた楽器が、はじめてプレイするゲームのような感じ。「今年は雰囲気に慣れればいいから」って言われてしまった。

 

受験浪人が決定した。

 



 

受験浪人中に出会った先生のお弟子さん

 

バイトをしながらの練習や勉強をしていたころ、ジャズのライブには時々行っていた。そんな折にかっこいいなあって思えるサックス奏者に出会った。決してまだメジャーではなかったけれど、演奏に惹かれしびれた。

何回か聴きに行ってから勇気を出して話してみたら、じつはそのかたは私の受験の時の先生が教えていた卒業生でジャズを教えてもらってたお弟子さん。ちょうど教室で教えることになっていたらしく生徒になることに。

 

先生がおなじなので、教材もおなじ。やっぱりクラシックは必要ですか?の答えは「あたりまえやん」やっぱりやるのね。ロングトーンと音階から始まってクラシックの教本。それからジャズの基礎の基礎から教わった。「まずはブルースを一曲まるまるコピーしておいで」からはじまった。「クラシックの教本の練習をちゃんとしてきたら、ジャズを吹けるまで教えるから。」と言われ、とってもうれしかった。

これでいける!って思って向かった最初のレッスン。ジャズの演奏を聞いてもらえた。「にいけんちゃん、それチンドン屋」ジャズのノリを演奏できるまでが地獄だった。「まだチンドン屋!」「まだあかん!」「ちゃんとジャズ、聞いてるか!」泣きそうになって、もうダメかもってときに「それや!それ!」ダメダメ生徒にできるまで付き合ってくれた先生には感謝しかない。

 

しかし、クラシックの教本をサボるとジャズを教えてくれなかった。それほど基礎は大切らしい。ちゃんとレッスン料金はかかるのに「練習してへんのやったら今日はもう帰り!」って言われて挫けそうになったとき、先生がぼそっと言った

「サックス、にいけんちゃんはどんだけ好きなん?壁にぶち当たったり挫折しそうになった時、どんだけ好きがだけかでプロは残んねん」

 



 

好きなミュージシャンはだれ?って質問

 

次に聞かれたのは「誰が好きなん?」

「誰が好き?」の答えはチャーリー・パーカー。「じゃあまずはパーカーになろうか」そうやってフルコピーのなりきるとこからはじめるんだ。知らないことばかりですべてが新鮮だった。コピーに練習にバイトやピアノの練習もあって、大変だったけど「サックスが好き」が乗り越えさせてくれた。

ジャズを練習するにあたって、先生から禁止されたのは、パーカーのコピー以外は吹かないこと。最初のコピーはブルース。ブルースはコード進行が決まってるから。いくつもいくつも曲をフルコピー。アドリブもどんどんフルコピー。ワンフレーズごと組み合わせアドリブにした。

 

ある日、先生の教えていた教室での発表会があった。先生のすすめで出てみることに。譜面台何個かにコピーしてつなげた譜面を広げて見ながら吹いた。がっつり練習はしてたので見てたのはアドリブの順番だけ。

やっとひとりで舞台に立つことの快感をおぼえた。結果は上々。会場のライブハウスのかたからも「一回ほんちゃんで吹いてみる?」って言われて、舞い上がるほどうれしかった。1曲しか吹けなかったけどね。

 

閑話休題。ずぅっとあとになって知った事。

 

あるライブハウスにジャズボーカルを聴きに行った。

あの綾戸智恵さんがまだメジャーになってない時に聞いたこと。最初に歌ったのは、You’d be so nice to come home toだったそう。その時は、それしか歌えなかったとは本人談。さいしょは当然ふつうに4ビートのジャズソングで歌ったと。

アンコールがかかっておなじ曲を何回も歌ったそう。2回目からは3拍子にしたり、サンバにしたり、ボサノバにしたりして乗り切ったそう。メジャーになる人との違いはこんなところにもあったんだって気がついた。

 

気がつくの遅いよ私。

 



 

先生のライブで吹かせてもらった時

 

先生のライブには必ず行った。先生の判断で吹かせてもらえる時は、すべてのコピーを譜面にし広げて吹いかせてもらった。オリジナルのアドリブ入れたらそこだけダメ出し。巨匠との差は簡単には埋まらない。

いちど大失敗したこともあった。寝不足状態の時に呼ばれていっしょに吹かせてくれた。まったくのダメダメ演奏をしてしまった日。その時の先生いがいのミュージシャンからは相手にされなくなったのは当然のお話し。先生、ごめんなさい。

 

チャーリー・パーカーの次はキャノンボール・アダレイをコピーした。吹きまくりスタイルなので超苦戦。明るく聴こえるけど譜面にしたらマイナーブルース。「キャノンボール・アダレイが吹いたらみんな明るい曲になるなぁ」って先生とふたりで笑ったのはもう過去の想い出。

 



 

転機が来た!転機は突然やってくる。

 

そのあたりから、当時流行りのフュージョンバンドをつくった。ライヴもやった。仕事も少しだけした。ここが転機。ちょっと天狗になってた自分。先生は東京へ行くことに。「にいけんちゃんなら連れていってもいいよ」っていってくれた。決断できずに一緒に行かなかったのは後悔しかない。

そんな時、たまたまバークレーから先生総出でやって来た年。東京での2週間ほどの講習会。全国から集まる猛者たち。レベルの違いにがく然とした。

 

先生のことばが脳裏を駆けめぐる「楽器を吹き続けるにはどれだけ楽器が好きか。それだけ」

 

バークレーでの出来事で自分と向き合った。そして、バンドのライヴや楽器の仕事をやめ楽器を置いた。不思議と未練はなかった。やりたいことはやったから。翌日には楽器や譜面はもうなかった。

今思い返すと、この日は自分自身に負けた日「楽器は卒業したの」は言い訳けでしかなかった。

 

もしも今、あなたが好きで得意なことをやっているなら、私のような後悔はしないでほしい。当時は後悔はないって思っていたけど、しっかり自分と向き合ってはいなかった。焦らなくていい。しっかり自分の本心を自分自身で聞いてあげてほしいと思っています。

 



 

あとがきとして。サックスの楽器の選択についてなど

 

サックスはセルマーというメーカーが基本といわれています。楽器本体とマウスピース。よく中庸とか言われますが、先生に師事すると、まずすすめられるのはセルマーの楽器本体と、ワンスターといわれる基本となるセルマーのマウスピースの組み合わせ。

どんな音質をめざすにも、どんな音楽をめざすにも、まずはどんな場面にでも応用の効くところから、この組み合わせをすすめられるようです。

ジャズに関してもおなじだったり。よく聞くのは「マイヤーにサーマーがいいよ」これって、マイヤーはマウスピースのメーカー。サーマーとはセルマーのこと。

このあたりは、まず基本の組み合わせで、ライブなどでひとりで吹けるようになってからでもすぐに慣れますよ。何事も基本の習得は必要なよう。基本といえば、音を安定させるロングトーンや音階の運指の練習。そして、各音の出かたや音質の統一化、クラシックの教本によるテクニックの研鑽などなど、自己流では正解がわからないことでいっぱいです。

とくにジャズの場合は、ノリ的なところは師事しないと自己流では判断しにくいところ。ブラスバンドの延長でジャズの曲を吹くと、最初は間違いなくチンドン屋になってしまってますから。

私のサックスを吹いていた時代は、まだYouTubeはおろか、ネットやガラケーすらなかったので、最初から自己流という訳にはいきませんでした。今の時代は生きにくさはあるけれど、なにかを学ぶにはいい時代だと思います。

 

さいごにもういちど残しておきます。

もしも今、あなたが好きで得意なことをやっているなら、私のような後悔はしないでほしい。当時は後悔はないって思っていたけど、しっかり自分と向き合ってはいなかった。焦らなくていい。しっかり自分の本心を自分自身で聞いてあげてほしいと思っています。

 

最後まで読んでいただいて、ありがとうございます。なにかのお役に立てるとうれしく思います。

 




 

 

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